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episode214 フェアリーとその媚薬②
「何はともあれ、君とこうして話せる時間がとれて良かったよ」
「ええ」
「だって近頃の僕たちときたらさ――」
最初に変わったのは顔つきだった。
酔ったとかそういうんじゃない。
「ねえ、ここ……変に暑くないか?」
言うならそれは
傍目にも分かるほど欲情した顔つき――。
「……いいえ、別に」
「ああ、分かった。君はそんな衣装だからさ」
「え……?」
長い指はおもむろにネクタイを解き
首筋のボタンを一つ二つと外しながら
僕の耳元に囁くんだ。
「そんな露出の多い……スケスケの衣装だから」
「なっ……!」
王子様らしからぬ
露骨なセリフ。
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