旦那サマには内緒のこと

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今日は私の大好きな旦那サマが一週間ぶりに家に帰ってくる日。 私の旦那サマは陸上自衛隊の隊員さん。 この一週間はどこかの演習場へ野外訓練に行っていて、私は一人寂しく過ごしていた。 演習中、国家機密のため家族にも隊員がどこで訓練をしているのかは教えてくれないし、連絡も取れなくなる。 訓練とはいえ、とても不安になる。 そして、演習中であることを他言してはいけない。 駐屯地に隊員が不在だと洩れてしまうと、他国からそこを襲撃される可能性があるからだとか。 お国の為に働いている旦那サマが、どうか何事もなく帰って来てくれます様に。 そんな事を考えていたらガチャッと玄関を開ける音が聞こえた。 私は一目散に玄関へと行った。 「おかえりぃ。」 迷彩柄のリュックサックと、それとは別に迷彩柄の大きなスポーツバッグを「よっこらせ」っと玄関先に置いて、半長靴<はんちょうか>を脱いでいる旦那サマ。 「ただいま。あぁ、疲れた。」 「お疲れ様。すぐお風呂に入っちゃって。」 私は旦那サマをお風呂場に促した。 だって、その間に私は旦那サマには内緒でやりたいことがあるから。
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