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「それぐらい俺だってわかってる。 でも今は時間がねえってことぐらい、海斗だって気付いてるんだろ? あいつが施設に戻されたら、もう助け出すチャンスなんてない。 このチャンスを活かすしかねえんだよ。」 「……わかった。 でも危険だって判断したら、その時点で帰る。 それでいいな?」 「ああ。」 剣斗同様、本当に異端児が存在するなら助けたいと思っていたが、剣斗より精神面で大人な海斗は現実もきちんと見ていた。 そのため避けられる危険をわざわざ冒しに行く必要もないと考え、最初は何がなんでも剣斗を説得して家に帰るつもりだった。 しかし剣斗の今までに見たこともないような真剣な様子に海斗も腹をくくると、状況次第では即撤退することを条件に洞窟の奥へ進むことを認めた。 そして剣斗と海斗は再び、洞窟の奥へと慎重に進み始めたのだった。
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