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「どうして、急に進学をやめたの？」
金沢さんはあれ以来、僕の家に居座るようになった。でも、僕はけして嫌がらなかった。ただ、それは本心からそう思っているのかはわからない。
「旅に出ていろんなものを見るのも良いかなって。それに……」
僕は閉め切っていたカーテンを開けた。
「それに……何よ？」
窓の外を見つめる僕の隣に金沢さんが並び、僕の顔を覗き込む。僕はそんなことを気にせず、ずっと前を見つめた。
僕が僕だと認められるようにね、と僕は小さな声で言った。
首を傾げた様子から金沢さんには伝わっていないようだが、それで良いと思った。
そして、金沢さんの顔を見る。
僕の頭の中で機械音が鳴った気がした。
また、僕は無意識に分析を始めたようだ。
＜了＞
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