第貮段 原城

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「また落雷か?キリがないでござるな」 だがそれは雷ではなかった! 神の力を借りた四郎は、 旧約聖書で退廃したソドムの街を滅ぼした、 硫黄の火で辺り一帯を焼いたのだ! 武蔵は丸太木刀は塵と化したものの、 巨大刀を盾にしたので無事。 しかし原城は更に崩壊し、 近辺に居た兵達は蒸発。 遠くに居た兵はソドムから脱出しつつ、 ロトの妻の様に塩の柱となる者も居た。 武蔵は赤熱化して、 溶けかかっている巨大刀を横に刺し、 鍛え上げた丹田(たんでん)から大声で四郎に叫んだ。 「貴様!我ら幕府軍どころか、 貴様の一揆軍すら死に絶えておるぞ!?」 「はははは! 我の一揆軍はみな天国行きだが、 貴様ら幕府軍はみな地獄行きだ!」 高笑いする四郎。 すると焼け焦げた何かが武蔵の元に、 落ちて来たではないか! 「宗矩!?」
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