06

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「ここまで分かった?」 「……うん」 「で、そしたらこれを……」 そんな私を知ってか知らずか、早瀬君は説明しては私に顔を傾け、私が理解しているかどうかを確認する。 そんな近くで直視しないでよ、ホント。 これ、わざとやってるんなら、早瀬君相当ドSなんだけど……。 「はい。 終わり。 分かった?」 「……うん。 ありがと」 カタン。 早瀬君が椅子を離して、ようやく普通の呼吸ができた。 はーー。 息苦しかった。 私は胸に手をあてて、早瀬君に気付かれないように深呼吸した。 「……ふ」 ちらっと見たら、椅子は戻したものの体はこちらに向けてカウンターに肘をついた早瀬君が、私の様子を見て笑っていた。
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