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「……」
妙な沈黙に、あれ、私何か変なこと言ったかな、と急に不安になる。
表情無く私を見つめる早瀬君は、相変わらず何を考えているのか分からなくて、私の心臓の音のボリュームを徐々に強に引き上げていく。
「あ、あの。
ごめん、変なこと言って」
見つめられ続けると負けてしまうのはいつも私の方。
いたたまれなくなって、おずおずと、早瀬君に謝る。
「……いや。
それだけは想定外だったから、ちょっと驚いただけ」
早瀬君はそのまま表情を変えず、ポツリと言った。
「……?」
私はあまりよく分からなかったけれど、なんだか珍しい早瀬君に、へへ、と笑ってしまった。
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