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 僕は”シコウ”の主である。  僕が存在するこの世界は”シコウ”と呼ばれている。何時から存在するのかは主である僕にも分からない。ただ此処に存在しているという事が必要なのだろう。此処にはあらゆる生物が存在し、あらゆる文化が混在している。勿論人間もよりどりみどりだ。  けれど争いは起きない。皆静かに思考しているだけだから。何をどれだけ考えていても誰も咎めない。異なる考え同士が出会っても決して争わない。ただ静かに言葉を交えるだけだ。  僕も皆に交じって思考するが、幾つか皆と違う点がある。通常この世界には三日以上連続して存在することが出来ない。その為人間の入れ替わりが激しいのだが、僕はその逆で”シコウ”以外では存在することが出来ない。もう一つは主である僕の思考が止まった時、”シコウ”もまた終わりを告げる、という点だ。僕は”シコウ”の主であり、同時に”シコウ”そのものでもあるらしい。  だから僕は思考する。  意味もなく、 理由もなく、 終わりもなく、  思考し続けなければならないのである。
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