第二章:救助を待つ

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あっさりとあたしの嘘を信じてくれたオーナーは、どうぞどうぞと管理室へと連れていってくれる。 今朝と同じく入口を入り、まずは沢岸さんが操作していた暖房のスイッチへ視線を向けた。 「この暖房のスイッチは、全て管理室で操作しているの?」 今は空き部屋以外全てのスイッチが入っていることを確認し、イデアがオーナーへ問いかけた。 「そうですよ。客室はお客様自身でも操作できるようになってますけど、それ以外の場所はここから一括管理ですね」 「夜間は、スイッチを切っているのよね?」 「ええ、深夜零時から翌朝六時くらいまでは、節電を兼ねて切ってます。今日はうっかりしちゃってましたが、リビングだけは二十四時間利用できるよう、なるべく点けっぱなしにはしてますけどね」 オーナーとイデアの会話を聞きながら、スイッチをよく見てみると、温度設定や風向きなんかもちゃんとコントロールできるように作られているらしい。 「これだけたくさんの設備があると、普通の家なんかより電気代も大変ですよね?」
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