プロローグ『序章曲は止まらない』

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『リエル王国』  魔法が存在するこの世界で、科学技術を最優先で発達させてきたこの王国は、周辺諸国と比べるとやや暖かい気候に恵まれている。その気候と科学技術を利用した農業が主なこの王国の貿易手段であり、『リエル王国』をここまでの大国に成長させた一番の要因だ。兵も魔法を主軸として扱う他国に対し、科学技術を応用したマシンガンやレーザーガン等で対抗するのが、この『リエル王国』のスタイルであり、五百年以上に渡って受け継がれてきた伝統なのである。  そんな『リエル王国』の郊外から遠く離れた所に位置する『アスレアの町』は、王国内でも一、二を争う科学技術を保持していた。と言うのも、『アスレアの町』で続く名家"フランケンシュタイ家"が 代々受け継がれてきた研究故であり、『アスレアの町』の技術に感心すると言うよりは、"フランケンシュタイン家"の研究に驚くべきなのだろう。    さて、"フランケンシュタイン家"の研究テーマは、世代によって変わる。「生物と生物の融合」や、「クローン技術の最果て」など、そのテーマは多種多様であったが、ある一つの共通点で結ばれてはいた。  ーーどれも、最終的には『怪物』という結論に達するということである。  生物と生物の融合を果たせば、そこに生まれるのはキメラ等の『怪物』である。クローンで人間を増やせば、そこに生まれるのは最早人間とは言えない『怪物』達である。自分達の研究の果てが『怪物』という生物に至ることを知った"フランケンシュタイン家"は、科学者の探究心故に、『怪物』の果てを見たくなった。そうして、いつしか『怪物』という生物を、"フランケンシュタイン家"は追及するようになったのである。  
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