憂鬱なクインテット(完結・特典あり）

第４話 広紀と鋼太郎の一番長かった夜について

「でもまあ、教えてくれてありがとう」
「お役に立てなくて…とか、こ、これも禁句ですか？」
　また失言したかもしれない…優留は震え上がった。しかし…
「さあね。もう何でもいいよ。今ので罰ゲームは解除したから」
　努めてさらりと、広紀は受け流した。
「解除…」
「うん」
「じゃあもし今度、俺が失言しても、もう何もなし」
「…まあね。余程じゃなきゃ水に流すよ。君は…俺の大事な友人だから」