第4話 広紀と鋼太郎の一番長かった夜について

454/478
784人が本棚に入れています
本棚に追加
/1520ページ
 横断歩道の信号が再び青に変わった。じゃ、明日また会おう、と伝えて広紀は電話を切った。  もう一つ、ずっと伝えたかったことも、やっと言えた。  広紀は足を踏み出し、横断歩道を渡って行った。  この季節にしては暖かな日差しが、黒のコートに身を包む広紀の背中をやんわりと照らしていた。
/1520ページ

最初のコメントを投稿しよう!