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「もう秋だね」
千秋(ちあき)は窓の外を見た。
目の前の紅葉が目にしみる。
休み時間。
千秋たち四人は、千夏のテーブルの前に集まっていた。
「あたいの好きな夏は、もう終わっちゃったか…」
千夏(ちか)は、頭をポリポリと掻いてから、座りながらにして後ろにのけぞった。
千夏の後ろに座っていた男子が「ウァオ」と言って身を引いたが、
千夏の顔を見ると、何だお前かという表情をして、そのおでこにデコピンを飛ばした。
千夏は「痛てーなー」とボヤくものの、体勢を変えなかった。
「確かになんか、日差しとか気温とか、変わってきたよねーー」
千春はのんびりとした口調で言った。うふふと笑う柔らかな表情は、いつも和みをもたらしてくれる。
うん、と千秋は頷いて、冬美を見た。
「じゃあ、冬ももうすぐかな…」
クスッと笑う冬美は、やっぱり…綺麗だ。本当に。
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