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あの日の青いネコ
【未来の世界をこの手で】
ある時、私の原点は少年の頃の出会いにあると気がついた。
その頃の私はどこにでもいる内気でおとなしい少年であった。
特に特徴がないのが特徴で成績は中の中、五段階評価では全ての教科で三、マラソンの順位は210人中105位、クラスのリレー選手には選ばれた事は無い、漫画が大好きで勉強は大嫌い、偏差値は50、信号の黄色、団子の真ん中、平均オブ平均、そんな少年の中の一人であった。
将来についての希望は特になく、公立の学校に入って、そこそこの大学を出て、サラリーマンになって、平均的な給料を貰って、結婚適齢期で美人でも不細工でもない奥さんを貰って、父親似と母親似の子供が2人生まれて、定年退職して、平均寿命で死ぬのだろうとぼんやりと考えていた。
しかし、実際の未来はそんなに簡単ではなかった。
何の事はない、本気で生きようとしなければ生きて行けない事に気がついただけの事だ。
今の仕事に就く時、ずっとつまらないと思っていた自分の人生の中で生まれて初めて運命的なものを感じた。
平均だらけの少年時代に唯一と言って良いほど必死になった夢中になったものが、
ロボット。
なのである。
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