奇病

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次の異変はそれから三日ほど経った頃。 じんましんが体のいたるところに出るようになったのです。 もともと皮膚も弱い(タチ)なので、季節の変わり目や花粉症の時期、疲れている時などはじんましんが出てしまうのです。 ほとんどの場合、少し経てばおさまりますし、皮膚科に時折かかっていて鎮痒剤(ちんようざい)(かゆみを抑える薬。代表的なものとしてはオイラックスがある)を塗ったりすればいずれひきます。 ところが、かゆみや発疹がひくことがないのです。 特に湿疹はいたるところに常時あるような状態で小さなかゆみ(掻かずにかろうじて我慢できる)はずっとあります。 それがふとしたはずみでとんでもないかゆみを引き起こすのです。 たとえば、トイレに行った時。 下着をおろした瞬間、気が狂ったかのように掻きまくります。 たとえば、お風呂に入った時。 体をこする際、洗身タオルでゴシゴシと力いっぱいにこすります。 もちろん、かゆい時に掻いてもロクなことがないことはみなさんもよくごぞんじでしょう。 ますますかゆみは増しますし、なによりも傷になったりします。見た目にもよろしくない。 しかし、掻かずにはいられない。 そう、今も掻きながらこの文章を打っています。 猛烈なかゆみとの闘いがどんなにかつらいか。 蚊に刺されてたまらないかゆみというのは誰しも経験したことがあるでしょう。 あれが体中、しかもあのかゆみの何倍もの強さが襲っているとしたらあなたはどうですか。 苦しいですよね。 はい、私は今そのかゆみと闘っています。
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