two and two

11/11
58人が本棚に入れています
本棚に追加
/161ページ
「それじゃ、ここでね。 真っ直ぐ帰らなきゃだめだよ。」 宮原先生がひらひらと手を振る。 その前を瀬崎先生が歩いていく。 「ちょっと、置いてかないでよ。」 そう言って、宮原先生が慌ててその後を追いかけて行った。 自動扉を抜けると、2人は並んで暗闇に吸い込まれて行った。 「…仲直り、って言ってたけど、先生俺らが付き合ってたの知ってたのかな。 興味なさそうなのに。」 ーそう、知ってたんだよ、私が言ったから。 絶対誤解されてしまった。 今私が好きなのは、先生なのに… 「それにしてもあの2人さ、絶対付き合ってるよな。妙に親密そうだったし。 同期の飲み会ってのも怪しくない?」 胸がズキンと痛む。 栄太にもそう見えたのか。 「確かに、ちょっと怪しかったよね。」 必死で笑顔を取り繕う。 ー果たして、私は今、きちんと笑えているだろうか。 目の前のおでんを見つめながら、意識は完全に先生達のことに囚われていた。 もはや何が食べたいとか、そんなことはどうでもよくなっていた。 その後栄太と一緒にイートインでおでんを食べたが、味がよくわからなかった。
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!