6. マンションの一室で

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「そうですか、ホッとしました。でも、念のためにあなたの記憶を操作します。ぼくたちのことをしゃべろうとしても、できなくなります」 「記憶を操作?」  さらりとすごいことを言ったぞ。 「はい、思い出せなくなるんです」 「じゃあ、このお金は……?」 「迷惑料、とお考えください。では」  男は会話を終えようとしていた。 「ちょっと待って。あなたの本当に姿は……?」  リビングにも夕焼けが侵入してきていた。部屋の壁紙も朱く照らされて。 「ぼくの本当の姿は」  男の顔の輪郭がぼやける。そして、人間とかけ離れたシルエットを形成しだした。  しかし、三条の意識はそこで途切れた。
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