第1章

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最高指導者に信頼されている料理人が他の料理人や警備兵の目を盗み、自分の指を包丁で傷つけ滴る血をトマトソースの中に垂らした。 1週間後、最高指導者は信頼出来る部下を全て集め、昼食を取りながら会議を行う。 この時も最高指導者に信頼されている料理人は、指を包丁で傷つけ滴る血を料理に混ぜた。 1ヵ月後、北半島国の最高指導者は全世界に向けて核兵器の破棄と共に、原子力発電所の廃炉を宣言する。 また最高指導者は北半島国の首都での六カ国協議の開催を、関係各国に提案した。 3ヵ月後、北半島国、南半島国、海の向こうの大国、北の大国、西の大国、火の元の国の六カ国の首脳会談が塀壌で開催される。 歓迎会の料理を作った料理人はまた、指を傷つけ料理に血を混ぜた。 それから1年後、三つの大国の首脳はABC兵器を所持する全ての国に対して、兵器の破棄を促す声明を連名で出す。 連名で出された声明には破棄に応じない場合、三カ国の連合軍による武力の行使が行われる事も付け加えられていた。 料理人の脳の乗っ取りを手始めに、最高指導者と北半島国の要人等の脳を乗っ取る。 その後も各国の首脳の脳の乗っ取りを次々と行った寄生生物達は、今ホッと一息ついていた。 「フーー危なかったぁーー! 恐竜の時代からその時代その時代の覇者の脳に寄生を続ける事によって、共に繁栄してきた我々なのに、危うく人類と共に滅亡するところだった。 全く同族同士で争っていないで、共に栄える事を考えていれば良いのに、学習しない奴らだぜ。 後は世界中でテロを行っている馬鹿共を駆除するだけだな。 それが終われば、久しぶりに地球に平和が戻るだろう」
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