変化

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
まずは、あの本を理解できる同志が必要だと思い立った私は初めて同じ職場の人と会話をした 職場と言っても献血を毎日定時にしているようなもので待ち時間の間椅子に座っている時間くらいしか人と話す時間なんて物はない 献血の待ち時間で対面の無い人とわざわざ喋るような物好きはそういないだろう そこで私が目を付けたのはいつも本を読んでるおとなしそうな女だ 彼女は昔多少喋った程度だが本が好きなのはひしひしと伝わって来た その時は本のタイトルの話をする前に終わってしまったので本の話題で話を広げる「いつもどんな本をよんでいらっしゃるんですか?」「ああ、これはホームズですよ」「私も好きなんですよホームズ世界観が特別なわけでもないのに何故か引き込まれていって気が付いたら時間が経ってるなんてこと……」 いつも代り映えしない光景をうんざりするほど見てるんだホームズが好きなのは知ってる第一私も好きだ。 で話がのったところで…「リエ様こちらえ」ドアを開けて中から看護婦が顔を覗かせている「あっ、では私はこれで」「ええ、ではまた明日」内心舌打ちをしつつリエが部屋に入っていくのを見届ける 「明日にするか…」 で、翌日無事立ち話もなんだと言うことで喫茶でゆっくり話すことになったコーヒーが空になったころ本題に入ろうと思ったがそこで自らの計画のずさんなことに気づく(本当にこんな話をしていいのか?この本を読んで同じ思想になる保証があるわけではない…もし危険思想を持ってると言いふらされたらどうする?)
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!