第1章『再会と石』

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「それでさ、更に面白いことを見つけて」 そう言った知念はその石を手の上でひっくり返し、俺たちにも見えやすいように持ち替えた。 ここを見て、と知念が指さした先を二人揃って石に顔を寄せてじっと見つめる。 よく見ると、何かで掘られた跡のような、模様のような線が見えた。 「多分この石の破片、何が書かれた石板の一部だったんだよ」 「え、それってやばいヤツなんじゃないのか。ロゼッタ=ストーン的な」 「ロゼッタ……て何?」 優子が困惑気味に首をかしげた。 それとは反対に知念が「そうなんだよ!」と瞳を輝かせて身を乗り出す。 興奮で優子に説明することすら忘れているらしい。 もしかしたら世紀の大発見かも、と呟くと優子も目を瞬かせた。
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