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１１ 女の子の勘（つづき）
しかしここで、ようやく私にも言葉が戻ってきた。
「だけど、たぶん、それはないと思うよ」
「なんで？」
「だって先輩……、お兄ちゃんには、ちゃんと彼女さんがいるでしょ？」
だが彼女は、大きく首を傾げた。
「うぅーん、お兄ちゃんはそう言ってるけど。
でも私、お兄ちゃんからその人の話って聞いたことないよ？
だけど、美羽ちゃんの話は、いっぱいするよ」
「それは、たぶんお兄ちゃんが恥ずかしがってるだけだと思うな。
ほら、私は、単なる後輩だから気安いっていうかね」
しかし、再び彼女は、大きく首を傾げた。
「でもね、今日はお兄ちゃん、なんかずっとぼんやりしてたの。
だから、『どうしたの？』って聞いたら、色んな事が上手くいかないって。
それで、美羽ちゃんにも、どう話そうかなって考えてるって言ってたの」
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