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「杉本さん、か。これ手本に似てる。良く書けてるよ。直すとこはない」
「……それは困ります、私はまだまだ下手なのに」
「あのさ。俺はそんなことないですよーなんて言う優しさは持ち合わせてないの。万人にウケる字はない。そんなにもじもじすんな。自信持ってバーンと出したら良いんだ」
「そんな、とても……」
「誰に何と言われても動じないくらいに書き込んだか?」
「……いいえ……」
「実際にはこのくらい書けるあんたに表立って文句言える連中はいないだろう。自分のしてきたことを否定するな。あとは悔いがないくらいに繰り返して自分を鍛えるしかないんだよ」
「はい」
「じゃあな」
「あ……」
杉本さんはまだ何か言いたそうだったが、つきあっていたら日が暮れる。
短い春の日の眠さは格別、居眠りはこの上なく心地良い。
夜空様夜空様。
できれば俺に昼寝を邪魔されない環境を下さい。
三時間だけで良いのです。
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