第1章

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「春の岩稜帯を駆けぬける、トレイル・ラン大会」 今日は、シャクナゲ尾根に、 花を見に来たのに、蕾ばかりで、 まだ、一週間以上は、かかりそう、 南壁直下の、日当たりのよい場所で、 昼食を食べる、それから、 経ヶ岳山頂に、登りかかると、 くるは、くるは、やって来るは、 トレイル・ランの選手達が、 ゼッケンをつけた、長崎、熊本、 福岡、大分、山口県の選手達が、 懸命に走ってくる、またなかば、 疲れ、膝から血を流しながら、 下ってくる若者や、 スタイリッシュな若い女性、 鉢巻きをした、元気なおじいさん、 リーダーの山の友達も走って来た、 久しぶりだからと、山頂のプレートで、 握手しながら、写真に写っている、 山開きで、もらった夏みかんを剥いて、 やって来る選手達に、食べさせる、 「ありがたい、美味しい、元気デマス」と、 駆けぬける選手達に、「頑張って、下りだから 気をつけて」と、声をかける、 なんか、とっても、いい気持ちになる、 人間って、不思議ですね、 走って来る、選手達に、 何故、山を走るのですか、なんていう、 愚問は、必要ないのです、 私たちが、何故、山に登りたいのか、 この問いかけには、答がない、 新鮮な空気、岩稜帯からの眺め、 疲れた時に、飲む水のうまさ、 山頂のプレートと撮る写真、 偶然にであった、久しぶりの友人、 全てのことが、山を走る動機であり、 自己の達成感である、 山は、走っても、歩いてもいい、 なにを、しても、感動するのである、 と再確認した、今日の山行きである。 image=505268308.jpg
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