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『ハル?…ハル、どうした、交代の時間だぞ』
『……ん、ああジョゼフか。
悪い、寝てた』
『はっ。相変わらずだな。見張りが寝てちゃ、話にならない』
「フン、今夜は攻撃なんかないよ。
敵さんだって、何もこんなに星の綺麗な夜にやりあおうなんて思わないさ」
『ハハ、ハルの癖にらしくねえ。
えらくセンチメンタルな
……ん?何だこれ』
「ウルセエよ、ケツ掘るぞ。
あ、おい…よせっ」
『へへぇ…ラブレターかよ。
ふぅ~ん、ハルがねえ』
「バカ、違う。早く返せよ。
返せったら!」
「あ……」
「全く。
そもそもお前、日本語読めないだろうが。
……おい、ちょっと火かせ」
『ああ、いいぜ。
…………って、おい!
いいのかよ、燃やしちまって』
「いいんだよ。
最初から出すつもりなんか__
なかったんだから」
「ふぅん…ま、いっけどね」
「じゃあな、ジョゼフ。
見張りが寝るんじゃねえぞ」
「はあ!?
お前がいうなよ、このっ■☆▽…」
最悪な悪態をつくヤツに手を振ると、燃え残りの切れ端を放り投げ、ゆっくりと砂の上を歩き出した。
見上げれば満天の星。
そうだ、次の葉書はこの空を。
俺達がどこにいようとも
繋がっているこの星空を君に送ろう。
誰よりも愛しい君に___
ーおわりー
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