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贈歌
ハルキおじさん、
元気でやっていますか?
私の方はまずまず…
いいえ。
やはりまだ、一人の部屋には慣れません。
あの日。
突然おじさんが、大きなバックパックを背負い、この家を出ていってしまってから、もうすぐ1年が経とうとしています。
3年前、外国の戦場でパパが亡くなって__
私はまだ中学3年生。
引き取り手のなかったところをおじさんが引き取って育ててくれたこと、とても感謝しています。
その時の
“パパのバディだったから”
たったそれだけの理由だけで。
大人になった今なら分かります。
例え中学生とはいえ、赤の他人の、全く血の繋がりのない女の子との同居。
ハルキおじさんを見る世間の目は、ノホホンと暮らしていた私の想像よりも、ずっと厳しいものだったでしょう。
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