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お星さま。
私はこれでいいのでしょうか?
でも、夜空は何も答えてくれない。
私は周りを騙してます。
女性ではなく、男性として、愛する人を欺いてます。
親の言いつけで、瀕死の弟の代わりに、男性として愛する人のお姉さまと政略結婚することになってます。
その、お姉さまも私、女性の自分にとっては、大切な存在。
幼い頃からの友達。
私は、弟が治るまで、両親にしばらくのあいだでいいから、弟を演じてほしい、身代わりを演じてくれ。経営する会社の将来のため、だからという。
そう、頼まれた。
私は、神戸の音楽学校の学生だ。
演技もクラスでは上手いほうだ。
だけど・・・・。
心までは、偽れない。
満天の星空。
今、私は家のバルコニーで天を仰ぐ。
星空に願いをたくして。
でも。
弟が危篤に・・・。
そして、明日。
晴れたら、私はユニフォームを着て、高校野球の地方大会にでなければならない。
私はバレエはやってたけど、野球などはやったことがない。
弟の所属する野球部は、名門で、甲子園の常連校だ。
たがら、お星さま、お願い!
弟を助けて!
そして、明日を雨にして!
できるだけ、大雨で!
これがバレたら、私は・・・・・。
家族は・・・・・。
すべてが終わる
そして、愛する人にも嫌われる!
愛する人は、ピッチャーをつとめる弟の女房役であるキャッチャーをしている。
『一緒に甲子園にいこう!』
笑顔でそう言われたとき。
胸が痛んだ。
あなたに真実を伝えたい!
あなたに抱き締めてほしいっ!
お星さま!
どうか!
弟を助けて!
明日を雨にして!
少しのあいだ、隠れていて!
だけど。
満天の星空。
雲ひとつない。
でも。
私は、続けてお星さまに祈ります。
どうか!
弟を助けてあげて!
そしてお星さまはしばらくのあいだ、隠れていてください。
身勝手ですが。
お願い。
お星さま・・・・・。
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