第一話 一人めのお姉さん

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第一話 一人めのお姉さん

むかしむかし、三人のお姉さんがいました。 一人めのお姉さんは千歳(ちとせ)さん。 黒くて艶々した長い髪と、雪みたいに白いお肌、 真っ赤なバラのお花みたいなお口の、 スラリとした美人さんです。声も高くて透明できれいです。 周りからはクレオパトラって呼ばれています。 そしてとっても頭も良いみたいです。 お家もゆうふくなんだ、て私のパパが言ってました。 周りの人は皆うらやましがっていました。 でも、どうしてかな? 千歳お姉さんは、イライラ虫をお腹の中で飼っていたのかな? いつもいつも、イライラしていました。 あの人があれをしてくれない、 この人がこうしてくれない、 あれが足りない、 これが足りない。 いつもいつも、 お父さんやお母さん、お友達や学校の先生、 彼氏が、あれをしてくれない、これをしてくない、 と不満ばかり言っていました。 たくさんたくさん色んなものを持っているのに、 あれがない、これがない、 と無いもの、たりないものを見つけて、 イライライライラしていました。 美人なお姉さんはとってもモテて、 沢山の人と付き合いましたが、 同じように綺麗でお金持ちのお兄さんと結婚しました。 結婚してもお姉さんのイライラ虫は出ていきませんでした。 子供が出きたらますますイライラ虫が暴れ出したみたい。 お姉さんは、みんなが欲しがるものすべて持っているのに、 何にイライラして怒ってるのかな?
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