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ロディは親指を立てて笑顔で馬車に乗り込みローズガーデンを去って行った、背伸びをしながら今日1日の出来事を振り返り充実感を再認識したレムはダンスで流した汗を取る為に浴場へ赴き1日の疲れを取って寝室に戻る。
「随分と充実なさいましたね、レム様」
「ええ…ロディと私は気が付けば良く遊んでいました剣術の訓練みたいな事もしましたし寝食も共にした事もありました、本当立派になられて叔父様も叔母様もさぞ鼻が高いでしょうね」
「私もロディ王子様は幼い頃から知っています、ですが良く遊びに来られた女の子がまさかレム様ですとは少し驚きと共に王子様を姫様と間違えていた事は申し訳ありませんでした、何せあの頃のレム様は本当に可愛らしいお嬢様だと思い込んでいましたから」
「良いのよ、私もそう言う事実を目の当たりにしてきましたから今更です、メイリン」
「ありがとうございます…尚、明朝ですが総督閣下の及び立てで登城を申し受けています、どれだけ変わられたか知りたい様ですね、閣下は」
「叔父様…」
思わず笑みがこぼれる、定期的に登城はしているのに月に2、3回は呼ばれていたその都度変化は見てると言うのにまた見たいとあからさま過ぎな叔父に登城命令だからである。
しかしそれを拒むには余程の理由がない限りしない…匿われてる立場の人間がどうのこうのと言うのは筋が通っていないからだ
「朝早いの?」
「昼前位ですから、ゆっくりおやすみ頂く事は可能です」
「そう….解ったわ、朝の水遣りを終えたら支度いたしましょう」
「畏まりました…それでは本日はお疲れ様です。」
部屋を灯すランプの光が陥ちると辺りは虫の音しかきこえない静寂な闇が広がる、レムはこの瞬間が一番好きな時間だ、何者にも囚われず自分だけの時間を堪能出来るし美しい星空も広がるからだ。
暫くして眠気を感じるとレムはゆっくり目を閉じ深い眠りの淵に誘われた。
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