恋か、忠誠か-2

25/25
1542人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
真冬の夜空を見上げ、濡れた頬を北風にさらした。 バカ。 バカ。 また懲りずに恋をするなんて。 凍りつくまで寒風に頬をさらせば、恋を捨てられるぐらいに強くなれるだろうか。 でも、温かな涙のせいで、ちっともそうはならなかった。 胸にとどめておくには苦しすぎて、彼に伝えてしまいたかった。 どうせもうすぐ会えなくなるなら───。 けれど十日後の懇親会の日、私は香子さんと彼の関係を知ることになった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!