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「皆どうしたんだ?
そんなに息を荒らげて」
「お前のせいだこの愚兄!
びっくりしちゃっただろうが!」
さも当然と言わんばかりに首を傾げて、コルツァは不思議そうに訊ねる
本当に自覚が無いのが恐ろしい
「ボスともあろう人が、一体何にそんなに怖じ気づいたのか全くもって理解不能」
「まぁ、チェーンソーのスイッチを入れた状態で近づいたら、相手は驚きますよ」
「む、ベーネ
遅かったな」
「コルツァさんが足速くて、漸く追い付きました」
後から遅れてやってきたベーネが、僕の言葉を理解できていないコルツァをフォローする
「てめぇベーネこの野郎!
コルツァの部下なら、手綱くらいちゃんと握っとけ馬鹿!」
「えぇっ!?すんません!」
恐怖に腰が抜けたSは、へたりこんだままくわりと吠えた
とても滑稽だ
ベースがSの手を取り立ち上がらせる
「ベーネに言っても無駄だろ
だって基本的にベーネはコルツァに対してイエスマンだから」
「それは言えてるな」
ツァンナは冷静なツッコミを入れ、ベースがそれに同意する
Sは溜め息をついて、諦めたようだ
「それで、皆して何をしてるんだ?」ギュイイイイイイイ
「なんでそこでチェーンソーのスイッチonしたんだ!?」
「え、なんとなく」
物騒だわ!
コルツァの返答と駆動音に、その場にいた全員が戦慄し身構えたのは言うまでもない
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