3

6/65
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/372ページ
「皆どうしたんだ? そんなに息を荒らげて」 「お前のせいだこの愚兄! びっくりしちゃっただろうが!」 さも当然と言わんばかりに首を傾げて、コルツァは不思議そうに訊ねる 本当に自覚が無いのが恐ろしい 「ボスともあろう人が、一体何にそんなに怖じ気づいたのか全くもって理解不能」 「まぁ、チェーンソーのスイッチを入れた状態で近づいたら、相手は驚きますよ」 「む、ベーネ 遅かったな」 「コルツァさんが足速くて、漸く追い付きました」 後から遅れてやってきたベーネが、僕の言葉を理解できていないコルツァをフォローする 「てめぇベーネこの野郎! コルツァの部下なら、手綱くらいちゃんと握っとけ馬鹿!」 「えぇっ!?すんません!」 恐怖に腰が抜けたSは、へたりこんだままくわりと吠えた とても滑稽だ ベースがSの手を取り立ち上がらせる 「ベーネに言っても無駄だろ だって基本的にベーネはコルツァに対してイエスマンだから」 「それは言えてるな」 ツァンナは冷静なツッコミを入れ、ベースがそれに同意する Sは溜め息をついて、諦めたようだ 「それで、皆して何をしてるんだ?」ギュイイイイイイイ 「なんでそこでチェーンソーのスイッチonしたんだ!?」 「え、なんとなく」 物騒だわ! コルツァの返答と駆動音に、その場にいた全員が戦慄し身構えたのは言うまでもない
/372ページ

最初のコメントを投稿しよう!