プロローグ。始まりはいつも唐突に、そして無情に。

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プロローグ。始まりはいつも唐突に、そして無情に。

※ 「我は魔王! 魔王、アリューゼシド・フォン・デュラムである!」  教壇で高々と名乗りを上げる俺。教室内に、俺の渋い声が響いている。  ぽかんとする生徒たちの視線を集める俺……かっこいいだろう? 「今、この瞬間から貴様らは魔王である我の配下である! ひれ伏せっ! 我を崇めろ!」  なぜか、教室はしんと静まり返った。みな、呆けた顔をしている。俺という高貴な存在を目の前にして声も出せずにいるらしい。  ふふふ……。異世界とやらもちょろいではないか。このまま人間を支配し、この異世界も俺の手に……。 「おい、転校生」  やたら不機嫌な声をかけられる。礼儀を知らん奴がいるらしい。  振り返ると、俺よりも頭ひとつ背丈の低いガキの女がいる。真っ赤な髪、十代前半ではないかと思えるくらいの童顔。俺をここまで導いてきた、タンニンとかいう偉そうな存在である。 「自己紹介くらい普通にしやがれ、おいこら、早く教卓から降りやがれってんだ」  タンニンは偉そうに言う。どうやら学校では偉い存在らしいが、我に歯向かうとはいい度胸だ。お灸をすえる必要があるらしい。 「キサマ……魔王である我の演説を邪魔するとは、万死に値するぞっ!」     
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