突破口

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結城はカリンを見ながら 『山谷はカリンさんに何か言ってませんでしたか?どんな事でも、どんな小さな事でも、あればよろしくお願いします。』 カリンは結城の質問に山谷との絡みを思い出しながら 『山谷さん、月に二回、三回ぐらい来てくれてました。今度プライベートで食事に行こうって言ってくれました。』 結城はシャープペンで手帳にカリンの証言を書き込みしながら 『例えば大金が入るとか、何かを調べてるとか。』 カリンは結城の質問に 『それは言ってませんでしたよ。ただ、近いうちに鴨川市が悪に染まるって。もちろん冗談だと思って笑いました。』 結城はカリンの証言に 『普段、冗談しか言わないやつがそんな事言ったら冗談にしか聞こえないですよね。』 山谷はカリンさんを気に入ってたみたいだな。相当入れ込んでた感じだし。 カリンは結城を見ながら 『他は何も。』 結城はカリンの証言をシャープペンで手帳にメモをしながら 『最後に来たのはいつですか?』 カリンは自分の手帳を確認し 『一カ月前ぐらいですかね。これが一番最近です。』 結城は自分の鞄から名刺を取り出して、カリンの前のテーブルに置き 『もし、何か思い出した事があれば、俺の名刺に書いてある携帯番号に連絡くれたら助かります。』 カリンは結城が自分の前のテーブルに置いた名刺を手に取り 『わかりました。その代わり次必ずスターズに来て私を指名してくれますか?』 カリンも自分の名刺をポケットから出して結城に手渡して、結城はカリンの名刺を見ながら 『了解です。約束します。あれ、カリンさんの名刺、生年月日が書かれてるんですね。』 って、若いはずだ。二十代だよ。 カリンはにっこり笑って 『華の二十代です。結城さん、必ずまた私に会いに来て下さいね。』 結城は店を出て千葉駅に向かった。 鴨川市が悪に染まるって、どういう意味だ?奴はどんな情報を掴んだんだ? 最近の千葉駅の中は変わったな。綺麗になって、店も新しいし・・・ただ良い値段取るよな。今日は久々に一人だし、少し気晴らしして帰ろう。たまには良いだろ。
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