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私がストーカーに気付いたのは、2ヶ月ほど前だ。
電車でも、コンビニ、スーパー、いたるところでその男に遭遇した。
最初はただ、近所で職場も近い場所に出勤している人なのだろう、
くらいにしか思わなかった。
つけられている。
そう感じて、後ろを振り返った。
するとその男は、不気味に笑ったのだ。
「こんばんは。」
陰湿なとても耳障りな声だった。
気味が悪くて、私はその日、走って家に帰ったのだ。
もしかしてと思い、私は自宅のカーテンの隙間から覗いてみた。
すると、男は電柱の影からこちらを見ているのだ。
私が覗いているのに気付くと、また不気味に笑った。
私は足元から恐怖が這い上がってくるのを感じた。
自宅を突き止められた。
私はずっと毎日、後をつけられたので、ある日意を決してその男に言ったのだ。
「あの、なんでつけてくるんですか?何か用があるの?」
男は信じられないようなことを言い始めた。
「君の方から僕を誘ってきたじゃないか。いつか、電車で、僕の方を見ただろう?
僕はその時から運命を感じたんだ。僕はこの人と結婚する。そう決めたんだ。」
「はあ?貴方なんて、見てないし。たとえ見たとしても、何でそうなるの?」
「僕は昔から、そういう予知能力があるんだよ。
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