再会

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再会

「おにーさん席ないの? 俺ひとりだし、相席でよかったらどーぞー」  竹林誠一郎が声のするほうに目をやると、声の主は鼻から下におわんをあてていた。彼は壁際のソファ席に座っていて、テーブルをはさんでむかいあった椅子がひとつ空いている。  混み合った店内で、誠一郎は、ランチ定食の載ったプラスチックトレーを持ったまま、ちょっと迷った。実際に迷った、というよりは、礼儀としてここは一度遠慮するそぶりをみせるべき、という自分の良心に従った。 「遠慮しないで。俺も、もうちょいで食べ終わるし」  案の定、彼は人なつこい笑顔をうかべて、向かい側の椅子を目で示した。
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