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「……っ!」
激しい頭痛に目が覚めた。吉乃は買い物へ出ると言ったきりもうずっと戻ってこない。もう飽きてしまったのか? 吉乃がいて当たり前だった日々。植物達も寂しがって吉乃の姿を探している。一人でいる事がこんなにも辛いと感じた事がなかった。寂しさと孤独が俺を蝕み始める。そのストレスからか激しい頭痛に気が狂いそうになっていた。
「クッソ!」
気が付けば部屋の中が滅茶苦茶になっていた。生えている植物を力まかせにで毟り取って、あちらこちらに放り投げていた。自分に生えているものまで毟り、ボロボロになっていた。
俺はなんで! 植人なんだ!
激しい頭痛が襲う。何かが弾け片目が見えなくなった。
「あっっ!」
これは……もしや……
脳に植物細胞が入りこんだか……嫌だ! まだ待ってくれ! 吉乃にもう一度会いたい!
「くわっ! うああああ!!」
躰が大きな幹や枝が張り出し、自分の足で動く事が出来なくなってしまった。躰の激痛で朦朧とする意識の中、吉乃の笑顔を思い出していた。
「……吉乃」
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