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「朝から美味しそうに食うな」
「だってお腹過ぎて……そんな見ないで下さいよ」
「ごめんって……なぁ…昨日さぁ気になってたんだけどあそこにある小さな鉢植えの植物なんて名前?」
守さんは窓際に置いてある鉢植えを指差した。
「あ……あれは夢々草です。昔から実家にあって花はもうずっと咲いていないらしくて……可哀想なんで俺が面倒見てるんです」
「……夢々草聞いた事ないな」
「元々、山岳地に生息する植物で、都会で生き残ってるのは珍しいらしいそうです」
「へぇ~~」
「それに曰く付きらしいので……実家では祖父と俺以外触ろうとしなかった。夢々草の花には猛毒の微生物がいて感染すると原因不明でずっと寝たっきりになるって……」
「……それが本当だったらどうすんの?」
「やだな迷信ですよ……どんな花が咲くのか見てみたいだけなんです」
「花咲くといいね。俺も見てみたいよ」
迷信だといいながら俺は、祖父に聞かされた夢々草の由来を話せなかった。
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