モテ感染

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サッカー部は朝練をしているはず。少しでもはやく中村先輩に会いたい。どんな反応をするかな。 グラウンドに中村先輩の姿が見えた!ちょうど朝練が終わった所かな。部室に引き上げようとしている。 グラウンドをダッシュで横切る。学校指定の革靴がうざい。スカートの裾も邪魔で仕方ない。 はぁ、はぁ。息を整える間ももったいない。 「中村先輩!」 中村先輩が振り返る。 「ん?誰?」 あれ?想像していた反応と違う。もっとこう前のめりな感じになると思ってた。 「中村先輩の知り合いですか?」 一緒にいたサッカー部の後輩らしい男子がいう。この男子も私に興味がないみたい。 「いや、知らない」 「ちょっとどいてくれる?」 その時、荷物を抱えた浅野先輩が後ろから私を押しのけた。 それをチャンスとばかりに中村先輩は部室の中に消える。 浅野先輩が通り過ぎる時、耳元で捨てるようにささやいた。 「私たち付き合ってるんだ。邪魔しないでくれない」 期待と違う反応。浅野先輩からの追い打ち。体の力が一気に抜けた。 はやく来すぎたなぁ。授業までまだ時間がある。一旦帰っちゃおうか。もう今日は休んじゃおうかな。あんまり眠れなかったし、体調もすぐれない。 重い足を引きずりながら校門に向った。 すると校門に見覚えがある姿があった。とおるくんだ。
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