ゆうちゃんのはじまり

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ポンポンと交される会話にゆうちゃんはびっくりしましたが タコにされては大変と あわてて小さな魚たちに言いました 「違う?」「人間?」 「人間ってなんだ?」 「アレだよ、いつも僕達を見ている」 「あぁ、アレか!確かにそっくりだ!」 「でも 彼らはこっちに来れないはずだ」 「なんで君はこっちにいるの?」 「不思議だ」「不思議」「不思議だよ」 ゆうちゃんが答える間もなく 小さな魚たちはポンポンと会話を続けます 「早くて会話に入れないし 沢山いるから誰を見て話せばいいかわからないわ」 とゆうちゃんは困りました すると、 「お前たち 少しは黙ってやらんと嬢ちゃんが答えられんだろう」 と亀さんが助けに入ってくれました 「そうだ!話を聞かないと」「わからないから」 「静かにするよ」「しーーッ」 やっと静かになった小さな魚たちにゆうちゃんはホッと息をついて 亀さんに 「ありがとう」 と言いました 亀さんは 「いやぁ。なに。」 と笑って ゆら?っとどこかに泳いでいってしまいました 「あのね、」 ゆうちゃんは静かになった小さな魚たちにお話します お母さんたちと水族館に来たこと 「すてき!!」と思ったこと 一番大きくて沢山いるこの世界が 一番気に入ったこと 「一緒に遊べたらすてきなのに」と思ったこと ガラスに吸い込まれたこと 話している間 小さな魚たちは     
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