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中もあれ放題で、大勢でおしかけたかのようだった。 「兄さん!母さん!明希!?」 荒れ果てた家の中をバタバタと走り回り探すが、誰もいない。 どういう事だ。何があった?どうしてこうなった。 パニック状態になった頭では深く考えることができない。 皆は一体何処に? 「・・・透。」 背後からかかった消え入りそうな声に慌てて振り返る。 「明希!!」 後ろにたってたのは明希だった。 土ぼこりなどで汚れた着物。下ろした髪の毛。 いつも元気一杯で動き回る明希とは思えないほど、明希は憔悴しきっていた。 「どうしたんだ?一体何が・・・。」 「・・・隆吉が、隆吉が突然来て、それで、お家だけでとか、実力がどうとか、大声で叫んで、人が沢山来て、道場をメチャメチャにして、」 明希も混乱した様子で、それでも一生懸命状況を話そうとしてくれている。 一言も聞き逃さないようにと明希の言葉に集中する。 「それから、おじさんの写真とか落として、メチャメチャにして、と、止めようとして、零士さんが戦って、怪我して、血が・・・」 話してる内に思い出したのか、明希は青ざめ、体が微かに震えている。 「今、病院に、おばさんと一緒にいて、私は透が、帰ってくるかもって、それで、それで、・・・・・・私、何もできなかった!!」     
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