夕暮れの中で

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高校に上がり、一学期も終わる頃。 私、堀田心(ほったこころ)は順調にクラスに馴染み、皆も同じ様に馴染んだクラスで気の合う友達とグループを作っていた。 そんな中、窓際の一番奥の席に座る中本紀一(なかもときいち)くんだけが、クラスに馴染めずに孤立していた。 最初は、スラリと伸びる長身に整った顔立ちと鋭い目つきが女子達の注目の的になり、人気は高かったのだが……。 「ねぇ聞いてよ!また中本君に睨まれたんだけど!」 「マジ目つき悪いよね、あいつ」 こんな風に、今となっては嫌われ者となっている。 それも、元はと言えば紀一くんが入学式して1週間足らずで上級生と喧嘩をしてしまったのが原因なんだけど……。 それでも、誰かがこんな風に除け者にされるのは、あまりいい気はしなかった。
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