第2章 白雪姫とシンデレラ

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ツリーの中で白雪姫とシンデレラが絶体絶命の危機を迎えていた同刻。 「オラオラァ!! おまえらの責任だろうがぁ!! ちゃっちゃとツリーどかせやぁ!!」 外側の広場では絶世の美熟女が、ツリー騒動の男達の尻を宝石のついた豪奢なハイヒールで端から順に蹴とばしていた。 ___王妃である。 半べその若者二十人を豪快な蹴りでツリーまで追いやると、次に王妃は後ろを振り向き、遠巻きに見ていた群衆に向かって、 「それから、あんた達も手伝いな! ずっと見てたんだろう? あんた達が寄ってたかって責め立てたシンデレラの家族は誰よりも娘を愛してる! シンデレラを苛めてたなんて事実無根の噂に踊らされてんじゃないよ! 血の繋がりなんて関係ない! 本当の家族なんだ!」 言い終わるや否や王妃はツリーに向かって走りだした。 もちろん、愛する娘を助ける為に。
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