1. 真っ二つになってから―

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地下室の埃まみれの鏡台を見ると、私は顔の右半分だけ、少し老けていた。 右側だけ、35歳くらいに見える。 20代前半だったはずの私には、ショックなことだった。 小さな机の上に、私の日記があった。 何故か大事なものだと思えて、私はその日記を鞄に入れて、肩から下げた。 「ここで何してるの私?…」 頭がくらくらする。 鏡にはやはり、右だけ老けた私が立っている。 顔の右半分の皺を触った後、左側に触れると、硬い気がした。 左腕の時計は、皮膚から外れなかった。 そこで気付いた。 私の左半分が、ロボットになっている――!!! 恐怖を感じて、頭を抱えると、左手から、銃弾が出た。 ズダダダダッ 地下室の壁が穴だらけになった。 焦った私が左腕を振ると、今度は左手から日本刀が出て来た! 地下室の灯りも、私の左肩から出ているものだった。 夢かと思ったが、現実だ。 職場でいじめられた心の痛み、真っ二つになる瞬間の記憶が鮮明にある。 日本刀をよく見ると、血が付いていた。 かなり古い血だ。 すると、また記憶が戻って来た。 私は軍事関連の研究所に運ばれて、改造されたんだ――!!
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