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「ヒィ!」  路地裏に転がるチンピラ風味の男達。顔面がコンクリートの壁にめり込んでいたり、地面に突き刺さっていたリと大変な惨状を露呈している。  ぷるぷると震えているところを見ると、どこぞのギャグ漫画のワンシーンを想起させる光景だった。  残り一人となったところでチンピラAと表現したらいいのだろう、要するに頭は腰を砕けさせて無様に尻を地面に付けている。  必死で逃げようとしているが、そんなものは悪魔の行進よりも遥かに遅い。 「何なんだてめえは! そんなちっさい体でどんな怪力だ! 本当に人間かよ!」  穴という穴から水分を出して憐れに絶叫するA。  その声に小柄な男はこう答えた。 「人間(ニンゲン)? fuck!」  見せびらかす様に、男はコンクリートの壁を殴りつけた。容易くぶち破り、欠片となって地面に落ちて行く。 「俺の体には悪魔の血が流れているんだよ。あんなクソ下等生物と同じだと? 脳味噌以外スクラップ品のジャンクと同じにしてもらっちゃあ俺の値が下がるだろうが!」  あーあーこれだから人間(ニンゲン)って奴は困るんだよ。男は心中で呟きながら、Aの顔面を掴み上げ、「風穴の目と禿頭(ツルッパゲ)の脳味噌なんて要らねえよな」と言って、直後鮮血が四方に舞った。 「ヒァ」    男は唇を三日月に歪め、直後、溜息を着いて頭を振った。 「女は遠くに逃げたようだなァ……さて戻すか」
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