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「おじゃましまーす……」
奏多は遠慮がちに挨拶をして、玄関ドアをくぐった。
悠真の家はマンションだ。
彼の両親は共働きで日中不在と聞き、ほっとした。
悠真は玄関から入ってすぐ右側のドアを開けた。
そこが彼の自室らしい。
「どうぞ」
「おう」
悠真に入室を促されて、足を踏み入れた。
入った途端、くんと鼻をならした。
「お前の匂いだ」
「えっ、臭いですか?」
いつも落ち着いている悠真は、珍しく慌てふためいて窓を開け放った。
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