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東条のことだから、コンビニ袋に入ったスポーツ飲料などではなく、スマートでお洒落な差し入れだったのだろう。
いやいや、だから何だ。
奈都のインフル真っ最中、僕には宣戦布告しておきながら大事な情報は伏せるなんてフェアじゃない──というのは甚だ身勝手な言いがかり。
その一ヶ月前、僕は彼女を“捨てて”、東条と彼女の距離が縮まるよう仕向けたのだから、薄情男を排除した東条の行動は当然のこと。
しかし頭ではそう理解していても、あまりに綺麗な彼の振る舞いと自分の落差が正直面白くない。
最近、僕の思考は理屈に反抗してばかりだ。
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