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身体を痙攣させた紫音がまたすぐに首を振りながら息を乱して喘ぐ間、腰を抱える手は優しく、「紫音」と何度も呼ぶ声は甘く、でもほとばしる激情で激しく、した。
「あ、あ、あ・・・・・っ」
「う、あ・・・・俺も、紫音っ、く・・・ああ!!」
果てた光稀は、快感に身を震わせ続ける紫音を濡れていないところに腕枕で寝かせ、しばらく心地よくまどろんでから、紫音の耳元に口を寄せた。
「・・・・・・なあ、紫音。今日は俺も甘えたいんだけど、いい?」
光稀の腕の中でまだ息が整わないでいる紫音にそう囁いたら、紫音がびくっと身を固くした。
「あ・・・え、もう一回? えっと、俺、いまので・・・ちょっと動けない、かも」
「え、なになに、めちゃくちゃ満足? 腰くだけになるくらい良かった?」
「バカ」
ぺちん、と手の甲を優しくたたかれて、光稀は笑って紫音を後ろから抱きしめた。
「俺さ、今日・・・この身体の、だけど・・・誕生日なんだ」
「えっ?!」
パッと振り返った紫音に、光稀はえへへっと照れ笑いをしてみせた。
「だからさ、俺やっと目の力をコントロールできるようになったし、あんた、外でデートとかしてくれないかなーって」
「バカッ!!!」
元気よく怒られて、光稀は目をぱちくりさせた。
タシッ、と紫音が光稀の胸を打つ。
「どうしてもっと早く言わない?! 知ってたら、あれこれ予定立てたのにっ、もう」
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