第一章 アンダーズ・ユート アルメニア

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第一章 アンダーズ・ユート アルメニア

オゾン層の崩壊と、地磁気の消失による多重カタストロフは・・・地球全体を激変させた 地球上の大規模な異変の為に、地表でのほとんどの生き物は死滅した・・・ 生き残ったものは・・・人を含め、みな知性をなくし・・・凶暴化していた 自然は、かろうじて・・・その状態を、とどめてはいるが・・・もはや、地表は人が住める所では無かった 異変の被害から、辛うじて逃れた人々は・・・その時の政府が唯一提示した方法・・・地下への移住を選択した・・・いや、選択せざるを得なかった ・・・・・・・・・・・・・・・・・ それから、半世紀が過ぎ・・・人々は、ようやく地下での暮らしにも慣れ始めた・・・ 最初は、慣れない環境に・・・身体を壊す者も続出したが・・・その都度、必死に改善を続け・・・ここしばらくでは、ストレスを訴える人も減ってきた所だった・・・ そして、人々は・・・困難を乗り越えて、新たに手に入れた・・・五つの巨大な地下空洞を・・・希望を込めて、こう呼んだ・・・ アンダーズ・ユート 〝アルメニア〝と ・・・・・・・・・・・・・・・・・ その五つの空洞のなかのひとつ・・・アルメニア・サードの中に、コーダ 地区があった・・・ その、コーダ地区のなかの学校のひとつ・・・コーダ セントラル ミドル・スクールに、〝ケン・トーマ〝は通っていた・・・今、ミドル・スクールの四年生・・・17歳だっ!!! 「うんっ!・・・今日も、気持ちのいい朝だっ!!!」ケンは、背伸びをしながらつぶやいた・・・ 昼間照明がすでに、昼モードへと移行し始めたようだっ・・・朝モードより、光が強くなりだした・・・ 朝の時間になれば・・・空洞の底〝空底〝から空洞の上部〝空上〝へと、昼間照明が照らされる・・・照明が当たった空上は・・・一面に生えている光ゴケに反射して・・・空上は綺麗な緑色になる
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