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「弱いものいじめは、やめなさい!」
その声にうんざりして、俺、レオナルドは後ろを振り返る。赤髪天然パーマの3歳の末っ子、シャーロットが仁王立ちして前を睨んでいた。シャーロットの視線の先に目を向けると、俺と同じくらいの7歳くらいの男の子が、10歳くらいの三人の男の子にいじめられていた。俺はまたかと、ため息をつく。
「シャロ。兄ちゃん、今日は助けてやんねぇぞ?」
「え!?」
シャーロットは驚いて俺を見る。
「なんで!?この前もレオちゃん、助けてくれたのに!」
「自分でケンカ売ったんだろうが。自分でなんとかしろ」
するとシャーロットは泣きそうな顔をする。――泣いたってダメだぞ。今日は助けてやんねぇからな。シャーロットは、俺の隣に立った黒髪ストレートの5歳の妹、ミモザの腕を引いた。
「ミモちゃん、ミモちゃん。助けて」
「分かった」
ミモザは簡単に返事して、一歩前に進み出た。
「弱いものいじめはやめなさい。大人しくしないと、私のピストルが火を吹く」
「ミモザ。もっと穏便にすませて」
俺はため息をつく。うちの妹たちは、物騒でいけない。突然の俺たちの介入に、彼らは声を荒らげた。
「いきなり出てきて、なに言ってんだよ!」
「なまいきだな!やっちまえ!」
ミモザとシャーロットが俺の後ろに隠れる。――本当に、もう。
俺は腰の木刀を抜いて、飛び出す。素早く三人に一撃ずつ打ち込んだ。武器のない奴にひどいとは思うが、向こうは三人で俺は一人なんだから、まぁ許してもらおう。
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