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俺は、三人に剣先を突きつけた。
「まだやるか?」
「ひっ!」
三人はそそくさと逃げて行った。俺はほっと息をつく。あの感じだと、報復に来ることもないだろう。
「さすが、レオちゃん!」
「レオ兄強い。かっこいい」
シャーロットとミモザが俺に拍手を送る。俺は思わず項垂れた。
「シャロはまだしも、ミモザはケンカできるだろ?」
「BB弾じゃ、決定力にかける」
そう言って、持っていたクマのぬいぐるみから銃を出す。毎度思うが、それぬいぐるみなの?かばんなの?
「あ、あの……!」
声をかけられて思い出した。気の弱そうな男子がこっちを見てる。
「君、すごく強いんだね!」
そいつは興奮したように言った。キラキラしたその視線に恥ずかしくなって、俺は癖っ毛の黒髪をくしゃりと撫でる。俺じゃなくシャーロットが言葉を返した。
「そう!うちのレオちゃんは強いの!」
「いずれ王になる男だから、覚えておきなさい」
「王?」
ミモザの言葉に、そいつは首を傾げる。まぁ、そうだ。王になるとか言われても、何のことか絶対分からない。
「ミモザ。それよく言ってるけど、俺別に――」
「大丈夫。レオ兄なら、おじいちゃんを超えられる」
ミモザが真剣な顔で頷く。お前のその自信はどっからくるんだ?
「君、名前は?」
目の前の奴に訊ねられ、俺は答えた。
「レオ。レオナルド・ウィリアム」
するとシャーロットが嬉々として、俺の腕を掴んだ。――多分、最近お気に入りの、父さんのあの台詞を言うつもりだ。状況が違うから、使い方まったく違うんだけど。シャーロットは、満面の笑みで言った。
「尊敬の意思をもって『キャプテン』とよびなさいっ」
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