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「お前も見てるか?地球を」
クレーターの中から見上げる空にはエメラルドブルーの地球が輝いている。
「ああ、見てるさ」
「あっちからも何千人、何万人、いや何億人かな。こっちを見上げてるのは?」
目を合わせて、微笑みを交わす。
「今日はどんな願い事をされるのかねぇ」
「楽しみだね」
もうすぐ日本時間の午前五時頃になる。
「お、そろそろ日本が見えるぞ」
「そろそろ準備しようか」
片方は臼を、もう片方は杵の準備をして、掛け声を発しながら餅をつき始めた。
「それ、みんなの願いを!」
「えーんや、こりゃ!」
「叶えてあげよう! 」
「えーんや、こりゃ!」
二名の神の習慣として、日本から月が見えなくなるまで続けられる。
だが、何故かはわからないが、二人ともウサギのコスプレをしている。
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